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丁寧とは?

[ 135] 佐野富士子ゼミナール
[引用サイト]  http://www.surugadai.ac.jp/seminar/sanosemi/2002/zemi/kokune1.html

丁寧表現にはたくさんの種類があるが、その中でも英語の丁寧表現と日本の丁寧表現を比べてみました。英語にはもともと敬語というものがないといわれがちですが、本当のところはそういうわけではありません。確かに敬語というものはないかもしれません。しかし、ちゃんと日本語と同じように丁寧表現というものがあるのです。具体的にいっていくと、西洋文化は「平等」が基盤になっているせいか、自分と相手の立場や距離を見計らって上下関係を意識しながらしゃべることは余りありません。従って、日本語のように自分の立場を下げることのよって相手を持ち上げる謙譲表現は用いません。また、単語としても「おふくろさん」「おかあさま」「母上」「ご母堂様」といった同じ意味の単語のバリエーションによって尊敬度・丁寧度を表現するようなことは余りありません。その意味では「敬語」にあたるものはないといえるかもしれません。でも、英語にも丁寧表現はたくさんあります。フォーマルな場や、ビジネスの場、初めて人に合う場面などに使います。基本的には人間平等を意識しているが、相手との距離によって使う言葉を選ぶ感じです。
日本の敬語は「縦(上下間)の距離」も含めて人間関係の距離をあらゆる方向から読み取って使われるのに対して、どうも西洋の丁寧表現は「横の距離」のみをあらわすような気がします。日本語が二次元だとしたら、英語は一次元というか。だから、西洋人にとって日本語の敬語は理解しにくいのでしょう。
英語の丁寧表現は原則的に「文章が長いほど丁寧度が高まる」という法則があります。たとえば、「そのペンをください」という表現丁寧度に応じて段階的に書いていくと、「Give
pen.」といったものまで出てきます。確かに意味は同じといえば同じなのですが、こんな長い文章は、法廷での弁論ででも使うかわかりません。文章が長ければ長いほど丁寧度が高まる傾向があるわけですが、使い方にコツがあるようです。「Give
me the pen.」は言葉だけ聞いたら、「そのペンをよこせ!」くらいの命令調に響きそうですが、実際には強い語調と怒った表現が伴わない限り、そのまま使ってもさしつかえないです。日本の英語教育では、動詞の原形を頭に使うと「命令形」と考えられ「〜せよ!」といった訳をしたりします。でも、このような命令形はよく使われます。命令というから怒っているときや、威張っているときに使うと勘違いされがちですが、実際には友達の間など日常的によく使われます。この場合だったら「ちょっとペン貸して」くらいのニュアンスで使われることが多いです。ただ、同時に態度によっては本当に命令しているみたいに聞こえてしまうときもありますから、TPOという相手と、言い方には注意したいです。
長い丁寧表現が使えないで単純な命令文しか使えないという場合でも、「please」さえつければとりあえず丁寧に響きます。単語を知らなくても「please」をつければ相手の気分を害さずに、たいていのお願い事はかないます。たとえば、買い物をするときほしいものを指して「This
one, please.」と言えばいいのです。思わず「This one」だけでいい終わってしまいがちですが、最後の「please」を忘れると結構ぶっきらぼうで失礼に聞こえるようです。
日本語に丁寧表現がたくさんあるように英語にもたくさんの丁寧表現があることは先ほどいいましたが、その丁寧表現を代表的なものだけ紹介します。例えば、みんなにもよく知られている「Can
I」です。これを言いたい動詞とくっつけるだけでずいぶん変わってきます。ちなみに「Can I」よりもさらに丁寧なのが「Could I」「May
I」です。フォーマルな場合、あるいは相手が先生とか尊敬すべき人だったり、初めて会う人だったりした場合には、「May I」「Could I」を使ったほうがいいです。買い物するときに使う「Can
I get this one.」というと、もっとくだけて「これ、ちょうだい」くらいの感じになります。「get」より「have」のほうが上品なニュアンスがあるようです。
これ以外にもたくさんの丁寧表現がありますが、このことを日常ではそんなに意識することはないようです。特にオーストラリアの場合、平等意識が非常に強いのでイギリスやアメリカに比べたら丁寧表現はあまり登場しません。逆に極端に丁寧表現ばかり使っていると、「snobbish」「too
much」などと逆に非難されたりすることもあるようです。状況によっては効果的な皮肉にもなりますし、使う人の人格にもよっては不自然だったり、いやみに聞こえることもあるでしょう。
英語にはたくさんの丁寧表現がありますが、このように動詞を丁寧な単語に言い換えたり、言いまわしたりすることで上品な響きを出すケースも見られます。原則的には間接的な言い方をすると、丁寧度が高まると言うわけです。このことは日本語にもいえることです。結局のところ日本語の丁寧表現も英語の丁寧表現もあまり変わらないのかもしれません。ただ、使い方が微妙に違ってくるところがあるのでしょう。そこさえ気をつければ英語の丁寧表現も簡単に使えると思います。

 

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